辛味の話

おいしいカレー作りにとって欠かせないのが、スパイス。そして、玉ねぎ。
玉ねぎの調理の仕方で、コクや甘み、ルー全体の旨みが決まると言っても過言ではありません。フレッシュストリートカレーのルー開発で何度も試行錯誤を続けて時間をかけたのは玉ねぎの調理法です。
味に影響を与える大きな要素は「玉ねぎの切り方」「加熱温度」「加熱時間=脱水」の3つ。今日はその中でも「切り方」についてフレッシュのこだわりをお伝えしていきたいと思います。
「おいしいカレーを作るには、玉ねぎをどのような形に切るのがベストか?」
・みじん切り
・くし切り
・半分または四等分
・まるごとそのまま
『なるべく玉ねぎには包丁を入れずに、低温で水と一緒にゆっくり煮込むのがベスト』と考える人もいれば、「すりおろしまで刻んだほうが美味しくなる」と言う人など様々な解釈と知見があります。
フレッシュストリートカレーの開発チームは、それらの様々なパターンで作り、味わいの変化を見定めていきました。とりわけ、寸胴鍋で大量調理の場合は、この玉ねぎの切り方の違いによる味の変化は顕著に感じられます。同じ材料、加熱方法、調理工程でも別物のカレーになります。フレッシュストリートカレーの料理はどれも感覚だけに頼らず科学的な知見や論理からもアプローチすることに重視しています。
結論からお伝えするとフレッシュでは「すりおろしに近いみじん切り」と「4等分のくし切り」の2つを、ベストな脱水状態に仕上げるために必要な水で煮たのちに、メイラード反応が起こる温度まで引き上げて、しっかりと求める甘味とコクになるまで炒めています。
玉ねぎを炒めるだけで、なんとも食欲をそそられる香りが立ちます。生の玉ねぎを何時間嗅ぎ続けても絶対に感じることはできません。それは、玉ねぎに含まれる化合物が熱により変化するからという当たり前のことではありますが、切り方によって生成される化合物の量が変わります。
玉ねぎをみじん切りにすると無数の細胞が壊れ、アリナーゼという酵素が放出されます。その酵素が、玉ねぎに含まれるイソアリインと反応することで「プロパンチアール-S-オキシド(PSO)」を生成します。
(玉ねぎを切って涙がとまらなくなるのはPSOの催涙性効果です)
このPSOを含んだ玉ねぎを低温加熱していくと、「3-メルカプト-2-メチルペンタン-1-オール(MMP)」に変化し、豊かな風味となります。実は「4等分のくし切り」程度ではPSOはほとんど生成されません。(4等分に切って目が痛くなることがほとんどないことを想像してください)
では、なぜみじん切りに加えて「4等分のくし切り」も使っているのか?その答えは「糖を生み出し甘みを引き上げコクを生み出す」ためです。玉ねぎから甘みを引き出したい場合はなるべく包丁をいれない原型玉ねぎを加熱していくほうがベストであることがわかりました。
A:みじん切りの玉ねぎのみだと【風味◎甘み×】
B:4等分のくし切りのみだと【風味△甘み◎】
という感覚でしたので、AとBを1:3の割合で組み合わせたカレールーが正式に採用され、いま皆様にお届けしているフレッシュストリートカレーのルーとなっています。
今日も良いカレー日和になりますように。
FRESH STREET CURRY
